ホームページをがんばって更新しているのに、なかなか問い合わせが増えない…。
そんなふうに感じていませんか?
「アクセス数は増えているのに」「検索順位も上がってきたのに」——
それでも成果につながらないのは、見るべきポイントが少し違っているのかもしれません。
大切なのは、“どんなお客様が、どんな流れでホームページにたどり着いたのか”。
この記事では、その「流れ」を読み解くことで、ホームページの発信をどう整えればいいのかを一緒に考えていきます。
お客様の“検索の流れ”をたどると、改善のヒントが見えてくる
多くの会社は「自社サービス名」での検索順位に注目しがちです。
しかし、お客様の検索はその前後にも広がっていて、そこに発信を見直すヒントが隠れています。

サービスを知る前にある“きっかけ検索”
あなたの会社を知る前、お客様はまず「悩みの入口」にいる段階で検索をしています。
たとえば──
- 「名刺 作り方」:自分で作るか、業者に頼むか迷っている
- 「ホームページ 費用」:制作やリニューアルの相場を知りたい
- 「店舗 看板 デザイン」:集客に悩み、看板も検討し始めた
こうした検索は、あなたの会社とお客様が最初に出会う入口です。
ここで答えを示せる発信がなければ、そもそも接点を持つことができません。お客様がまだサービス名を知らない段階こそ、最初の信頼を築くチャンスなのです。
来訪後に行われる“確認検索”
一方で、ホームページを見て「良さそう」と感じても、すぐに問い合わせる人は多くありません。
次のステップでは、多くの人が「本当にこの会社で大丈夫だろうか?」という不安を確かめる検索をします。
たとえば──
- 「会社名 口コミ」:実際の評判や対応を確認
- 「ホームページ制作 相場」:料金が妥当か、他社と比較してチェック
- 「サービス名 導入後 効果」:利用した企業の成果や反応を確認
これらは、信頼を積み上げるための検索です。
ここに十分な情報がなければ、せっかく検討まで進んだお客様が離れてしまうこともあります。
“前”と“後”の検索をつなげて考える
重要なのは、この「前」と「後」の検索を別々に捉えないことです。
お客様は「きっかけ検索(前)」で課題を認識し、「サービス検討(中)」を経て、「確認検索(後)」で最終判断をします。
この一連の流れを意識して、発信全体を連携させることで、読まれる順番そのものが自然な導線になります。
1つのページですべてを語り尽くそうとせず、それぞれの段階に合わせた情報を用意し、前から後へと流れるような構成を意識しましょう。
順位より“順路”。検索の順番を観察する
検索順位が高くても、必ずしも成果につながるとは限りません。
本当に見るべきは、お客様がどんな順番で情報に触れ、どこで興味を持ち、どこで迷ったのかという“流れ”です。
ここでは、数字の裏にある行動のストーリーをどう読み取り、次の改善へ活かすかを考えてみましょう。
検索順位よりも、たどった“流れ”を見る
アクセス数や順位の変動を追うだけでは、行動の本質は見えてきません。
お客様が「どのページをきっかけに関心を持ち、次にどんな情報を確かめたのか」。この順番を観察することで、発信のどこが響いているのか、どこで離れているのかが明確になります。
小さな会社でもできる“前後の観察”
大掛かりなツールがなくても、ちょっとした視点の工夫で行動の前後は見えてきます。
問い合わせの前によく読まれているページは、“最後の一押し”になった可能性があります。反対に、問い合わせ後によく見られているページには、まだ解消されていない不安が潜んでいるかもしれません。
観察力が、次の一手を早くする
小さな会社ほど、目が届く範囲が明確で、改善までのスピードが速いという強みがあります。
数値だけに頼らず、お客様の行動を丁寧に観察する。この“観察力”こそが、次の成果を生む大きな武器になります。
“前”と“後”の検索に合わせて、発信を整える
お客様の検索の流れが見えてきたら、次はそれに合わせてホームページ全体の発信を整えましょう。どの記事やページも単独で成果を生むわけではありません。
「出会う」「理解する」「信頼する」──この3つの段階に沿って情報を配置すると、自然とお客様の心の動きに寄り添う導線ができあがります。

「前」=出会うための発信
お客様がまだあなたを知らない段階では、専門用語や自慢話より、悩みに寄り添う姿勢が大切です。
「こんなことで困っていませんか?」と問いかけ、課題を一緒に整理していくようなトーンで伝えると、初めての人にも届きやすくなります。
たとえば──
- 「費用を抑えて集客したい人へ:無料ツールとプロに頼む境目」
- 「名刺を自分で作る?業者に頼む?失敗しない判断ポイント」
「中」=理解を深める発信
出会ったお客様に、自社の考え方や姿勢を伝える段階です。
単なるサービス説明ではなく、「なぜこの仕事をしているのか」という思いを物語として語ると、会社への理解がぐっと深まります。
実績紹介やお客様の声も、単なる成果報告ではなく“ストーリー”として構成すると、読者に親近感を与えます。
たとえば──
- 「私たちが大切にしている3つのこと」
- 「お客様の声:導入から成果までの記録」
「後」=信頼を積み上げる発信
問い合わせや契約を検討しているお客様に向けて、最後の不安を和らげる段階です。
「隠さない姿勢」こそが信頼につながります。取引の流れ、料金、契約条件などを率直に示すことで、安心して一歩踏み出してもらえるようになります。
たとえば──
- 「ご相談後の流れ:しつこい営業はしません」
- 「契約前によくある質問」
半年で変わる“検索の言葉”。定点観測を習慣に
人の検索は思った以上に速く変わります。補助金制度、景気、AIトレンド…半年で“調べ方”が変わることも。
古い記事は“今”の悩みに届きにくくなる。だから、小さく更新する習慣を持ちましょう。
- 記事に「最終更新日」を明記する
- 追記をしたら「【2025年10月追記】○○を追加しました」と書く
それだけでも、“生きている記事”として信頼が上がります。
発信の視点を、チームで共有する
ホームページの改善や発信は、担当者ひとりで抱えるものではありません。
営業、サポート、制作など、日々お客様と接している人たちは、それぞれに現場の気づきや言葉を持っています。その小さな声こそが、発信の質を高めるヒントになります。
たとえば──
- 商談でよく聞かれる不安や質問→「検討中のお客様向け」のテーマに
- よくあるトラブルや誤解→「よくある質問(FAQ)」や注意点の記事に
- 業界の新しい動きや話題→「これから知ってもらう人向け」のコンテンツに
こうした気づきをチームで共有し、「お客様がどんな順番で情報に触れたか」「どこで迷いや不安を感じたか」をみんなで振り返ることで、発信全体の流れが自然に整っていきます。
まとめ|検索の“順路”を見直すと、次の一手が見えてくる
ホームページの成果は、検索順位だけでは測れません。
大切なのは、お客様がどんな流れで出会い、どんな疑問や不安を経て、問い合わせに至るのかという行動の全体像です。
“前”では、悩みの入口にいる人の視点で発信する。
“中”では、自社の考え方や信頼できる根拠を伝える。
“後”では、迷いを解消して安心してもらう。
この3つの流れを意識して発信を整えることで、情報が点から線になり、あなたの会社が「選ばれる理由」が自然と伝わるようになります。
小さな会社ほど、限られたコンテンツを丁寧につなぐことで、確かな導線を作れます。
順位よりも順路を──お客様の行動を観察しながら、一歩ずつ発信を育てていきましょう。
ホームページの発信、いっしょに整理してみませんか?
「アクセスはあるのに成果が出ない」「どこを直せばいいかわからない」――
そんなときは、現状のページを一緒に見ながら“次の一手”を考えるところから始めましょう。